2010/08/06

次回(2010/9/9)も論文読みながらMixed Model

前回(8/5)もさまざまなご所属からのご参加ありがとうございました。
Mixed Modelのさまざまな呼ばれ方(Hierarchical Linear Model:階層線形モデルとか、Multi-levelとか)についてや、StataやRに対する熱いまなざし、Latent growth model:潜在成長曲線モデルはSEM(structural equation modeling)を使えるソフトならできるとか、さまざまな話をしながらMixed modelを用いた論文を読んだ楽しい夏の夜でした。

次回もMixed Modelを用いた論文を読みながら勉強します。
日 時:2010年9月9日(木)18:00~19:30
テーマ:Mixed Model (11)<縦断データ初級編(6)>
場 所:医学部3号館 3階S308


-2010/8/5木(第56回)のエビ研内容-
この回では、generalized linear mixed model (GLMM:一般化線形混合モデル)を用いた論文を読みました。紹介された論文は
Lee et al. Analysis of group randomized trials with multiple binary endpoints and small number of groups. PLoS One. 2009 Oct 21;4(10):e7265.
です。

8つのクリニックが、‘がんのスクリーニング時期が来ているかどうかが患者自身にわかるようなシステム’を導入する介入群(4クリニック)と導入しない対照群(4クリニック)にランダムに割り付けられ、そのシステム導入時と1年後、2年後の時点でクリニックを利用している患者の(50才以上の女性には年に一度の実施を一般的に推奨されている)細胞診、マンモグラフィー、便潜血検査の受診の有無を調査しています。

この論文は生物統計学者が書いていて、multiple endpoints(受診の有無を調査している検査が3つ)で、グループの数が少ない(4+4=8)ようなgroup randomized trials (GRT)データを分析する上での実践的な助言を提供することも目的の一つとのことで、Methodsの記述がとっても丁寧です。

通常のRCTとは異なり、GRTでは同じグループ内の個人の回答が相関することが予測されること、intraclass correlation coefficient (ICC)の考え方、GLMMの説明、multiple endpointsであることを調整するためにstepdown Bonferroni method of Holmを用いていること、などなど、式も含め、たくさん説明を書いてくれています。

さらにさらに、SASのcodeも著者のウェブページ↓で公開してます!すばらしいですね。
http://personal.health.usf.edu/jlee2/software.htm

よねちゃん、素敵な論文のご紹介どうもありがとうございました!

ところで、私は数学とか数式は全然いやではないんですけど、式の読み方(読み下し方?音読の仕方?)やギリシャ文字等、記号の読み方がわからないと、途端に読むのがいやになります。呼び方というか、読み方がわからないと記号を記号として捉えることができないというのは自分でも残念なのですが。本や論文を自分で読むだけじゃなくて、講義とか、誰かの話を聞くことの良いところは、読み方がわかって、記号や式を認識できることだなぁ、と思いました。個人的な感想でごめんなさい。

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Mixed Modelを用いた研究で解析方法について丁寧に記述してある論文をお持ちの方は、是非ご紹介ください。

ご関心のある方は次回も是非いらしてください!(文責:宮本有紀)

2010/08/04

次(2010/8/5Thurs)もMixed Model

予告の再掲です。
次回もMixed Modelを用いた論文を読みながら勉強します。

日 時:2010年8月5日(木)18:00~19:30
テーマ:Mixed Model (10)<縦断データ初級編(5)>
場 所:医学部3号館 3階S308

また、Mixed Modelを用いた研究で解析方法について丁寧に記述してある論文をお持ちの方は、是非ご紹介ください。

ご関心のある方は次回も是非いらしてください!(文責:宮本有紀)

ところで、エビ研とは何の関係もないのですが、先日、来日されていたStanley Lemeshow先生の講義をお聞きする機会がありました。

ここで学んだのは、fractional polynomialsについてと、Stataはなかなか良さそう!ということです。

と、これだけではなんのことだか自分でも忘れそうなので少しだけ書いておきます。
主題は、一般化線型モデルにおけるcontinuous covariatesの取り扱いです。
連続変量(continuous variables)を説明変数として回帰分析に投入する場合、通常は、従属変数との線形関係を想定してそのまま投入、あるいはいくつかのカテゴリー(高、中、低等)に分けて投入、などがあるけれども、線形関係を想定しないときにでも情報量を落とさずに連続変量を投入する際の操作として、Fractional polynomial を用いることができる、というものでした。

StataではFracpolyというプロシージャを用います。あてはまりの良い式(と言う表現で良いのか?)を探すのですが、当てはまりの良いものの中でも、単にdevianceが最小なものを選ぶのではなく、なるべくシンプルで、誰が見てもわかりやすい式を選びましょう、ということでした

Xの○乗という式の記述方法(ブログでの入力方法)がわからなくて式を書けないのですが、式は、-2乗から3乗まで(-2, -1, -1/2, 0, 1/2, 1, 2, 3)の組み合わせを用いた式になります。伝わらないですね。。。。

それと、Stataはおすすめだとのことでした。
以上、エビ研でやったことではありませんが、メモでした。
Lemeshow先生、それから、講義に参加させてくださった皆様、ありがとうございました。